2020年8月30日日曜日

ヘンドリック24号車の復活か?ウィリアムバイロンがNASCARカップ初優勝

 NASCARカップ戦のプレーオフ前のレギュラーシーズン最終戦がデイトナで開催された。

今回のレースで注目されたのは、ポイントでプレーオフ入りを目指していたジミージョンソン、マットディベネデット、ウィリアムバイロンなどがプレーオフ入りできるか注目された。


 レースは2回の赤旗中断でオーバータイムでヘンドリックのウィリアムバイロンがNASCARカップ戦初優勝した。バイロンは最後のリスタートでインサイドからリスタート。アウトサイドのデニーハムリンが良いリスタートを決めたものの、クリントボーヤやチームメイトのチェイスエリオットのプッシュもありバイロンがチェッカーフラッグを先頭で受けた。ヘンドリックの24号車は2015年のジェフゴードンがマーティンズビルで勝った以来の勝利となった。

 プレーオフ入りした16人

1.ケビンハービック(SHRフォード):2057

2.デニーハムリン(JGR トヨタ) :2047

3.ブラッドケセロウスキー(ペンスキー フォード):2029

4.ジョーイロガーノ(ペンスキー フォード): 2022

5.チェイスエリオット(ヘンドリック シボレー):2020

6.マーティンテューレックスJr. (JGR):2014

7.ライアンブレイニー(ペンスキー):2013

8.アレックスボウマン(ヘンドリック):2009

9.ウィリアムバイロン(ヘンドリック):2007

10.オースティンディロン(RCR シボレー)2005

11.コールカスター(SHR):2005

12.エリックアルミローラ(SHR):2005

13.クリントボーヤ(SHR):2004

14.カイルブッシュ(JGR):2003

15.カートブッシュ(チップガナッシ シボレー):2001

16.マットディベネデット (ウッドブラザーズ):2000


 以上16名のドライバーで最初の3戦が争われ、この中から4人が脱落する。

スチュワートハースレーシングは4台中全員がプレーオフに進出。ペンスキーも3台中3台がプレーオフ入り。チップガナッシはカートブッシュのみ。JGRは絶好調のハムリンを筆頭にカイル、テューレックスJr.がプレーオフイン。ヘンドリックは残念なことにジミージョンソン以外はプレーオフ入りを果たした。


 今年でNASCARから引退を発表しており最後のプレーオフ、最後のデイトナとなったジミージョンソン。レース終盤までは5ポイントのリードを持っており1回目のビッグワンをかわし、プレーオフ入りは確実かと思われたが、残り2周のビッグワンに巻き込まれプレーオフ進出はできずにレースを終えた。ジミージョンソンはプレーオフに進出はできなかったものの、インタビューで残り10戦あるので勝ちたいとコメント。

 カイルブッシュは勝利がないままプレーオフ初戦を迎える。去年のシリーズチャンピョンのカイルブッシュ。カイルらしからぬレギュラーシーズンとなった。プレーオフポイントも2003ポイントとプレーオフに進出できたものの依然として厳しい状況だ。

プレーオフ初戦は伝統のダーリントン・サザン500の予定。

その後、リッチモンド、ブリストルとショートトラックが開催される。



NASCAR ポイントシステム

  NASCARは他のレースとは違いプレーオフを採用しています。プレーオフとはシリーズ終盤の10戦をチャンピョンシップのために争います。年間36戦あるうちの開幕から26戦をレギュラーシーズンと呼び、プレーオフ進出を目指して戦います。プレーオフはチャンピョンを目指して戦います。

 プレーオフに出場するためには16人の中に入らなければいけません。そして、16人のドライバーによってチャンピョンシップを争うのですが、プレーオフにはラウンドが4つあり各ラウンド3戦あります。最終ラウンドは1戦のみの開催。各ラウンドで4人の脱落があり、最終ラウンドに残れるのは4人だけです。プレーオフを簡単に説明するとこんな感じです。ではポイントや16位までに入るのにはどうすればいいのか解説します。


 まず、NASCARにはポイントスタンディングとプレーオフスタンディングの2つがありかなりややこしいです。他にもステージポイントを導入しており他のカテゴリーと比べるとポイントシステムがかなり複雑です。

2019 Monster Energy NASCAR Cup Series Playoffs - Jayski's NASCAR Silly  Season Site
16人から最終戦までに4人に絞られます。

プレーオフ出場条件(勝利)

 まず初めにプレーオフに出場できる条件を説明します。確実にプレーオフに出場を決めるには勝ちが必要です。レギュラーシーズンで1勝(ポイント30位以上)すれば確実にプレーオフに出場できます。例えば、レギュラーシーズンに9人のウィナーがおり、年間ポイントランキングが25位のドライバーが1勝したとします、そのドライバーはポイントでは25位ですがプレーオフポイントでは10位につくことができます。今のシステムでは勝つと自動的にプレーオフに進出できるのでポイントをコツコツと取っていても一発逆転されてしまうこともあります。

 今シーズンで例に挙げると現在ポイントランキングは19位(プレーオフ圏外)のコールカスターはケンタッキーで1勝しているので現在プレーオフ10位につけています。

プレーオフポイント

 次に、ポイントでプレーオフに出場する場合です。ポイントでプレーオフに出場する場合は年間のレギュラーシーズンポイントに加えて各ステージのポイントも加算されます。NASCARは3ステージ制でレースが組まれており、1ステージと2ステージの上位10位までにプレーオフのポイントが与えられます。1位が10ポイント、2位が9ポイント、と10位まであり10位が1ポイントもらえ、プレーオフまでにポイントを稼ぐことができます。このポイントはプレーオフが始まるとリセットされます。

NASCAR 101 - Race Format, Racing Terms and More | MRN

 もう一つ、ステージ終了後にポイントがあり、ステージウィナーは1ポイント獲得でき、この1ポイントはプレーオフが始まってもアドバンテージのポイントとして加算されたままプレーオフを戦うことができます。そして、レースの勝者には5ポイントが加算され、すべてのステージを制すると7ポイントを1レースで獲得ができ、この7ポイントはプレーオフの追加ポイントとなりプレーオフを戦う中で有利になります。

NASCAR 101 - Race Format, Racing Terms and More | MRN

 レギュラーシーズンが終了するとレギュラーシリーズチャンピョンとして年間チャンピョンとは違うチャンピョンが誕生するのもNASCARの面白いところです。

プレーオフが始まるとポイントは16人全員が2000ポイントにリセットされます。この2000ポイントにレギュラーシーズンで獲得したプレーオフポイントを加算し最初のラウンドが始まります。今年を例に挙げると、未勝利でステージウィンがないマットディベネデットは2000ポイントで、リーダーのケビンハービックは2000ポイントに57ポイントのアドバンテージがあります。

今のプレーオフシステムが導入された2014年(当時はチェイス)の時にはステージ制ではなくステージポイントもなかったので、2000ポイントにリセットされ勝ち数をポイントとして各ドライバーに与えていました。プレーオフポイント導入前では未勝利ドライバーがプレーオフ最終戦まで残ることもありました。

プレーオフが始まってからもポイントのシステムは同じでステージ制のレースです。レースの勝者は次のステージに優先して進むことができます。

 レギュラーシーズンではプレーオフに入るための戦いがありポイントスタンディングを見ながらレース展開を見なければいけませんが、プレーオフでは16人だけの戦い(次のラウンドでは12人、8人と減っていく)になるのでプレーオフポイントとにらめっこになります。プレーオフのレースにはプレーオフドライバー以外にも40人のドライバーがレギュラーシーズンと変わりなく出場していますが、もしプレーオフドライバー以外が勝っても途中からチャンピョン争いには加わることはできません。キャリアの1勝としてカウントされるだけです。

 最終戦のポイント

最終戦で年間チャンピョンが決まるNASCAR。プレーオフの戦いを勝ち抜いてきた4人のドライバーにチャンピョンの権利があります。最終戦は簡単でこの4人のうち一番前でフィニッシュしたドライバーがチャンピョンになります。今までのややこしいプレーオフポイントなど関係なく4人の中で1番になればいいのです。今年からは最終戦がフェニックスになり新しい最終戦が見れます。

2020年8月28日金曜日

INDYCAR&NASCAR 軍隊のスポンサー

アメリカ軍とアメリカンレースの関り

https://trafficnews.jp/post/99532

インディ500で佐藤琢磨と戦った米空軍 その真相は? 自動車レースにスポンサーにつくワケという記事を目にした。記事には「アメリカ空軍はインディ500に限らず、NASCAR(ナスカー)などでもスポンサーにつくなどして、若者へのリクルート活動へつなげています。」と最後に書いてあり間違ってはいない。


 しかし、INDYCAR、NASCARにアメリカ軍がスポンサーにつくのにはよりアメリカの文化が関係している。INDYCAR、NASCARではチームのスポンサー以外にレース前のセレモニーに必ずと言っていいほど軍人がセレモニーに参加する。国歌を独唱する歌手を軍の音楽隊が担当したり、スタートコマンドを担当することもある。また、国歌を歌っているステージの後ろに国旗、州の旗、陸海空海兵の軍の旗を持っているのはほとんどが軍人だ。このように、セレモニーには軍隊の協力があってレースが進行されていく。

 セレモニーはお祈りに始まり、国歌、空軍などによるフライバイとレース会場、ファンの雰囲気を盛り上げるだけではなく、軍隊への感謝、軍隊の活動の感謝の場であり、軍隊としてはよりたくさんの人に知ってもらえる広報活動の場でもある。


 インディカーには過去にナショナルガード(州軍)のスポンサーもついていたこともあった。NASCARでは陸軍、海軍、空軍(現在もババウォレスのスポンサー)、海兵隊、沿岸警備隊とすべての軍がスポンサーについていた。これは、記事にもあったように若者へのリクルートと活動を知ってもらう広報の両方がある。


 アメリカでは軍隊は当たり前の存在であり、特別な存在でもある。これはどういうことかというと、軍人が身近な存在でレースに足を運ぶと制服を着た軍人がいるごく身近な存在でアメリカ人の生活の一部となっている。メジャーリーグが好きな方だとプレーボール前のセレモニーで軍人を見る気かがあるかもしれない。他にも、レースとは話がずれるがスーパーやレストランでも制服を着た軍人を目にする。アメリカで飛行機に乗る際に見てもらいたいのは、各エアラインの上級会員よりも先に軍人がコールされ搭乗できる。日本なら、ファーストクラスや上級会員が優先搭乗やグループ1で搭乗できるがアメリカでは軍人が一番最初に乗り込める。また、身近な存在として、退役軍人のピットクルーも多く存在する。

 一方、特別な存在でもあるというのは、尊敬されており、身近ではあるがアメリカ人ではヒーロー的存在だということだ。もちろん、本来の仕事はレースやスポーツのセレモニーを支えるものではない。時には危険な状況でもアメリカのために働いてくれている存在である。

 このような、背景もあり軍人の支えがありセレモニーも盛り上がる。

Military heavily involved in sponsoring NASCAR | The Blade


 インディ500とコカ・コーラ600が開催される5月の最後の日曜日はメモリアルウィークエンドと呼ばれ翌日の月曜日はメモリアルデーだ。メモリアルデーは戦争で戦死した兵士を称える休日だ。今年はインディ500は5月ではなく8月の開催となったが伝統と敬意を表しタップと呼ばれるラッパ演奏があった。

 NASCARのコカ・コーラ600ではマシンの名前が普段はドライバーの名前のところを戦没者の名前に変えている。また、マシンカラーも軍隊のスポンサーではないマシンも迷彩柄や国旗柄が多く目立つ。これは、普段からスポンサーについている企業がメモリアルデーでは兵士に敬意を表すためにマシンのカラーを変えて出走している。

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 例えば、Geico(これはGeicoミリタリー、軍人保険)だが普段は青を基調としたカラーだがメモリアルデーでは迷彩になっている。Geicoは保険会社だ。

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ダニカのスポンサーをしていたNature's bakery。スポンサーの契約金でもめていたが、普段は水色のマシンが格好いい迷彩になっている。


NASCAR Salutes: Honoring military at Charlotte | NASCAR.com

ドライバーも退役軍人や戦没者の兵士の家族との交流を大事にしている。記憶が正しければ、佐藤琢磨も空軍基地を訪問していた。

 今年、コカ・コーラ600を勝ったブラッドケセロスキーはレース後にファンでもあり、ブラッドケセロスキーのマシンに名前が載った兵士の家族とテレビ電話をしていたり、ジミージョンソンは戦没者兵士の家族と食事をするなどの交流を行っている。


 アメリカ軍がスポンサーにつくのには広報活動だけではなく、アメリカ軍とモータースポーツ(アメリカ文化)が大きく影響している。アメリカ人のおおくの人が軍隊には感謝しており、身近な存在でありモータースポーツにとっても大事な存在なのである。


約8時間の末決着したデイトナ500 2021

 フロントローモータースポーツの快挙  NASCAR開幕戦デイトナ500は予定通り現地午後3時から開催された。レース開始から14周目に一回目のビッグワンが発生し、雨も降り始め、16周目でレースは中断した。約6時間の中断後、レースは再開された。再開後は14周目までが嘘かのようにシン...