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2020年7月15日水曜日

NASCARと政治

 NASCARは他のモータースポーツカテゴリーと比べれば政治との関りが強い。
アメリカを拠点としているのも一つかもしれないが、選挙など政治活動が関与することもある。
 今年、アメリカは4年に一度の大統領選挙の年である。
NASCARは特に共和党とのつながりが強いように感じる。NASCARが共和党と仲が良いと言うよりも、NASCARの昔からのファンに共和党支持者が多いというのが正しいかもしれない。ファン母体に南部の人々が多いことから共和党支持者が多いように見受けられる。自由の国で自己主張が強いアメリカでは町でも家の前にTRUMP2020の旗を掲げているのを目にする。他にもトランプ大統領の帽子をかぶった人なども。話が少しずれたが、NASCARと政治の関りを見ていこう。

  記憶に新しいのは、今年のデイトナ500にトランプ大統領がグランドマーシャルとしてデイトナにやってきた。スタートコマンドをして、大統領専用車でパレードラップも行った。大統領選挙の年ということで選挙活動の一環だったのか真相は分からない。2004年には当時大統領だったジョージブッシュがデイトナ500を訪れた。面白いことに、この年も現役で二回目の当選を目指していた年であった。そして、両方とも共和党というところも興味深い。
2004年と2020年


 スポーツジャーナルによると、NASCARは政治的スポンサーの禁止を検討したディスカッションの初期的段階にあると報道。32号車のコリーラジョーイのマシンにTRUMP2020のスポンサーがついたことから議論が始まったとしている。
https://sports.yahoo.com/nascar-reportedly-discussing-potential-ban-on-political-sponsorships-183826645.html
 
 過去には2016年の大統領選挙時にはいくつかのトランプ支持スポンサーが存在した。
他にも、2004年にはカークシャルマーディンがブッシュチェニーのステッカーを貼り連邦選挙局から警告があった。
Reed Sorenson practices for the NASCAR Sprint Cup Series AAA Texas 500 at Texas Motor Speedway in Fort Worth, on Nov. 4, 2016.
写真:Matt Sullivan/NASCAR Getty Images
2016年の大統領選
トランプ政権は日本車に高い関税を課せるなどと輸入車規制を選挙公約にしていた。トヨタのマシンにトランプ2016のスポンサーが付くのもなにか皮肉のようだ。実際にはアメリカ市場で販売されているカムリはアメリカのアラバマ州にある工場で生産されている。

画像
9レースのスポンサー契約をしたペイント。
今回のコリーラジョーイのスポンサーの件はPACという政治団体がGO Fansレーシングのスポンサー権を買ったと報道されている。ポコノではステッカー一枚になんと35万ドル(3700万円)をPACが払ったとも報道されている。そして、チームはPACと前回のインディアナポリスを含む9レース契約したと発表。チームやドライバーが支持を表明しているのではなく、PACがスポンサー権を買ったということになる。
Corey LaJoie, driver of the No. 32 Built Bar Ford, during the NASCAR Cup Series Pocono 350 at Pocono Raceway on June 28, 2020.
写真:Jared C. Tilton/Getty Image
リアにTRUMP2020のロゴが見える。

 選挙などの政治には直接関りはないが、NASCARで年間チャンピョンになった場合、ホワイトハウスに招待される。
President Obama and Kevin Harvick on South Lawn
Official White House Photo by Pete Souza

2020年7月11日土曜日

NASCAR 観戦ポイント①

 NASCARにはたくさんの見どころがある反面、他のレースにはない独自のルールなどがありわかりにくい場面があります。NASCARの見どころを理解し楽しく観戦できるように、何回かに分けてNASCARの魅力、そしてルールについてご紹介します。
NASCARにはARCAやヨーロッパシリーズなどを含めるとたくさんのカテゴリーがありますが、ここではNASCARカップ戦をメインに書かせていただきます。

 今回はピットについてです。
 NASCARの見どころの一つであるピット作業。ピットでの基本作業はタイヤ交換、燃料給油が主な作業です。その他にも水温を調節するためのシールをフロントグリルに張ったり、屋根に棒を突き刺しマシンのアジャストなども行います。また、タイヤ交換には4タイヤと2タイヤ交換があり、グリーンホワイトチェッカー(残り周回が残りわずかな時に、イエローチェッカーではなく残り2周をグリーンで争うこと)など周回数が残りわずかな場合などは賭けで2タイヤを選択するチームもあります。
 NASCARではピット作業ができる人数も5人までと制限されています。
ピットロードには速度制限もあり、速度をオーバーするとペナルティになります。ペナルティはアンダーグリーンの場合はピットスルーペナルティでイエロー中のピットスピード違反はリスタート時に最後尾になります。
NASCARでは満タンにする場合2本使用。

 ピットウインドまたはフュールウインドとは何か?

NASCARを見ているとピットウインドは45周から50周などと耳にします。ピットウインドウとは簡単に言うと、ピットに入っても良くなった周回数ということです。ピットの窓が開くと考えればわかりやすいかもしれません。タイヤはきついがピットのウインドウが開くまで待てなどチームから無線が飛んでくることもあります。
ピットウインドウが45周から50周と言われれば、満タンで走れる周回数が45周から50周ということになります。ピットウインドウが45周なのに20周目などに入るマシンは調子が悪いことになります。または、イエローを見据えて早めにピットなど。
 しかし、NASCARでは雨などで予選や練習走行ができなかった場合、コンペティションコーションと呼ばれるイエローフラッグがあり、ステージ1などではピットウインドを気にせずに走ることも良くあります。コーションがなくロングランが続くレースでは各チーム作戦が分かれ燃費レースになる場合などは満タンで走れる周回数(ラストピットの周回数)を見るとレース展開がわかりやすくなります。さっきまで20位後方を走っていたのにリーダーになっているマシンは数周ピットタイミングがずれていたりします。よく予選順位が35位などでピットタイミングをずらしたりトップオフ(後で説明)をすることでレースをリードするマシンは要チェックです。レース中にはNASCARホームぺージまたはアプリで無料で各ドライバーのラストピット周回数などが確認できます。

 イエロー中のピット作業
 イエローコーションになりコース上での追い越しが禁止された場合は絶好のピットタイミングであり、40台が一気にピットに入ってきて作業する光景はいつ見ても興奮します。そんな中でイエロー中のピット作業で目にする光景ではリードラップカー(周回遅れではない車)が先にピットに入り、周回遅れのマシンはステイアウトして次の周にピットに入ります。また、ラップバックのためにピットに入らずウェーバーラウンドを選択するチームもあります。残り周回がわずかで、燃料にも余裕があるがラップダウンになってしまったチームがコーション中のピットに入らずウェーバーラウンドをします。
ウェーバーラウンドとはラップリードがピットに入ると周回遅れのマシンはピットに入らない限りラップリードの前にいることになり、リスタート前にペースカーを抜かしリードラップの最後尾につきリスタートできるシステムです。
 他にも、ラップバックする方法があります。ラッキードッグパス(何でもスポンサーがつくNASCARで家具量販店のAaronsが、このフリーパスにスポンサーとして付いていたことからラッキードッグパスと呼ばれている)があります。ラッキードッグパスとは周回遅れの先頭の一台がイエローになった場合ラップバックできるシステムです。

 イエロー中に何回もピットに入っているマシン
 イエロー中に入れるピットの回数制限はありません。そして、リードラップの後方のマシンが何台か何回もピットに入っているのを見たことはありませんか?あれは実は燃料の継足し(トップオフ)と呼ばれることを行っています。トラック上で抜くのが難しいときや、順位を下げる心配がない場合はチームの作戦としてトップオフをして賭けに出るチームがあります。雨が降ると分かっているレースなどでは、前を走っていたチームが燃料切れになりピットに入る中、トップオフをしたチームがステイアウトをして逆転勝利などもあります。
 また、トラブルを起こし修復に時間が掛かる場合にも数回ピットに入るマシンがあります。これは周回遅れにならないようにするためで、リードラップでピットに入りタイヤ交換、燃料給油を行い、一回ピットを出てもう一度ピットに入り再度、マシンの不具合をチェックしたりします。こうするっことによりリードラップのままピットアウトできることになります。
 NASCARはピットでのリペアも5分までと制限があります。過去に、テープをベタベタに貼ったり、ボンネットがないマシンなどがレースしていましたが、それらは禁止となりました。
Young guns unable to match season's success at Martinsville | News ...
NASCARらしくて好きだったが禁止になってしまいました。ほぼ原形がありません。

2020年7月6日月曜日

NASCAR オールスターレースのルールを発表

 例年通りだと5月に開催されるオールスターレースですがコロナウイルスの影響で、7月に延期開催されます。そして舞台はシャーロットに代わり、ショートトラックのブリストル。

 昨日のブログでコーンルールについて書きましたが、今日正式なルールが発表されました。

オールスターレースに出場資格のないドライバーによるオープン戦は35‐35‐15の合計85周で争られ、各ステージ勝者がオールスターへの出場権利を手にします。
まずステージ制は、55-35-35-15の合計140周で争われます。最後の15周はイエローはカウントせずにグリーンで15周となります。

噂されていたコーンルールですが、実際にコーンは使わないが、ドライバーがリスタート時にレーンを選べるルールを追加しました。実質のコーンルールと同じと言っても良いと思います。

NASCARはオールスター戦ではマシンのナンバーの位置を少し後ろにしたペイントを採用すると発表しています。スポンサーロゴがより分かりやすくするためとしています。このペイントが2022年(ネクストジェンカー)から採用されるかはまだ決まってはいませんが、新たな試みとなるでしょう。

2020年7月2日木曜日

NASCAR オールスター出場資格

 毎年、一回だけ開催されるNASCAR オールスターレース。ポイントは加算されず、1ミリオンドルのために各ドライバーが争います。
オールスターレースにはだれでも出られるわけではなく、出場資格があります。
オールスターレース出場資格は以下の通りです。
1.過去のオールスター勝者
2.2019年(前年)のレース勝者又は2020年のオールスターレースまでの勝者
3.過去のカップ戦のチャンピョン

例を挙げると、ジミージョンソンは2019年、2020年勝っていませんが、過去にチャンピョンを獲得しオールスターレースも制しているので出場資格があります。
また、チップガナッシレーシングから途中出場となったマットケンゼスも同様に過去にチャンピョンとオールスターレースを制しているので出場できます。
a close up of a car: NASCAR will use 'choose rule' in 2020 All-Star Race format


ここからは出場資格のないドライバーがオールスターに出場する方法。
1.ファンによる投票
ファン投票で記憶に残っているのは、ダニカパトリック(女性ドライバー)。彼女は、優勝やチャンピョン経験はなかったが毎年のようにファン投票で選ばれオールスターレースに出場していました。確かチェイスエリオットもルーキーの年はファン投票で出場していたと思います。
2.オールスターオープンの勝者、各ステージ勝者
オールスターレース前に出場資格のないドライバーによるレースを行い、ステージ勝者、レース勝者がオールスターに出場できます。
今年のステージ分けは35‐35‐15の合計85周で争られます。

a close up of a sign: Final2020 Asr Format Tw

約8時間の末決着したデイトナ500 2021

 フロントローモータースポーツの快挙  NASCAR開幕戦デイトナ500は予定通り現地午後3時から開催された。レース開始から14周目に一回目のビッグワンが発生し、雨も降り始め、16周目でレースは中断した。約6時間の中断後、レースは再開された。再開後は14周目までが嘘かのようにシン...