2020年7月11日土曜日

NASCAR 観戦ポイント①

 NASCARにはたくさんの見どころがある反面、他のレースにはない独自のルールなどがありわかりにくい場面があります。NASCARの見どころを理解し楽しく観戦できるように、何回かに分けてNASCARの魅力、そしてルールについてご紹介します。
NASCARにはARCAやヨーロッパシリーズなどを含めるとたくさんのカテゴリーがありますが、ここではNASCARカップ戦をメインに書かせていただきます。

 今回はピットについてです。
 NASCARの見どころの一つであるピット作業。ピットでの基本作業はタイヤ交換、燃料給油が主な作業です。その他にも水温を調節するためのシールをフロントグリルに張ったり、屋根に棒を突き刺しマシンのアジャストなども行います。また、タイヤ交換には4タイヤと2タイヤ交換があり、グリーンホワイトチェッカー(残り周回が残りわずかな時に、イエローチェッカーではなく残り2周をグリーンで争うこと)など周回数が残りわずかな場合などは賭けで2タイヤを選択するチームもあります。
 NASCARではピット作業ができる人数も5人までと制限されています。
ピットロードには速度制限もあり、速度をオーバーするとペナルティになります。ペナルティはアンダーグリーンの場合はピットスルーペナルティでイエロー中のピットスピード違反はリスタート時に最後尾になります。
NASCARでは満タンにする場合2本使用。

 ピットウインドまたはフュールウインドとは何か?

NASCARを見ているとピットウインドは45周から50周などと耳にします。ピットウインドウとは簡単に言うと、ピットに入っても良くなった周回数ということです。ピットの窓が開くと考えればわかりやすいかもしれません。タイヤはきついがピットのウインドウが開くまで待てなどチームから無線が飛んでくることもあります。
ピットウインドウが45周から50周と言われれば、満タンで走れる周回数が45周から50周ということになります。ピットウインドウが45周なのに20周目などに入るマシンは調子が悪いことになります。または、イエローを見据えて早めにピットなど。
 しかし、NASCARでは雨などで予選や練習走行ができなかった場合、コンペティションコーションと呼ばれるイエローフラッグがあり、ステージ1などではピットウインドを気にせずに走ることも良くあります。コーションがなくロングランが続くレースでは各チーム作戦が分かれ燃費レースになる場合などは満タンで走れる周回数(ラストピットの周回数)を見るとレース展開がわかりやすくなります。さっきまで20位後方を走っていたのにリーダーになっているマシンは数周ピットタイミングがずれていたりします。よく予選順位が35位などでピットタイミングをずらしたりトップオフ(後で説明)をすることでレースをリードするマシンは要チェックです。レース中にはNASCARホームぺージまたはアプリで無料で各ドライバーのラストピット周回数などが確認できます。

 イエロー中のピット作業
 イエローコーションになりコース上での追い越しが禁止された場合は絶好のピットタイミングであり、40台が一気にピットに入ってきて作業する光景はいつ見ても興奮します。そんな中でイエロー中のピット作業で目にする光景ではリードラップカー(周回遅れではない車)が先にピットに入り、周回遅れのマシンはステイアウトして次の周にピットに入ります。また、ラップバックのためにピットに入らずウェーバーラウンドを選択するチームもあります。残り周回がわずかで、燃料にも余裕があるがラップダウンになってしまったチームがコーション中のピットに入らずウェーバーラウンドをします。
ウェーバーラウンドとはラップリードがピットに入ると周回遅れのマシンはピットに入らない限りラップリードの前にいることになり、リスタート前にペースカーを抜かしリードラップの最後尾につきリスタートできるシステムです。
 他にも、ラップバックする方法があります。ラッキードッグパス(何でもスポンサーがつくNASCARで家具量販店のAaronsが、このフリーパスにスポンサーとして付いていたことからラッキードッグパスと呼ばれている)があります。ラッキードッグパスとは周回遅れの先頭の一台がイエローになった場合ラップバックできるシステムです。

 イエロー中に何回もピットに入っているマシン
 イエロー中に入れるピットの回数制限はありません。そして、リードラップの後方のマシンが何台か何回もピットに入っているのを見たことはありませんか?あれは実は燃料の継足し(トップオフ)と呼ばれることを行っています。トラック上で抜くのが難しいときや、順位を下げる心配がない場合はチームの作戦としてトップオフをして賭けに出るチームがあります。雨が降ると分かっているレースなどでは、前を走っていたチームが燃料切れになりピットに入る中、トップオフをしたチームがステイアウトをして逆転勝利などもあります。
 また、トラブルを起こし修復に時間が掛かる場合にも数回ピットに入るマシンがあります。これは周回遅れにならないようにするためで、リードラップでピットに入りタイヤ交換、燃料給油を行い、一回ピットを出てもう一度ピットに入り再度、マシンの不具合をチェックしたりします。こうするっことによりリードラップのままピットアウトできることになります。
 NASCARはピットでのリペアも5分までと制限があります。過去に、テープをベタベタに貼ったり、ボンネットがないマシンなどがレースしていましたが、それらは禁止となりました。
Young guns unable to match season's success at Martinsville | News ...
NASCARらしくて好きだったが禁止になってしまいました。ほぼ原形がありません。

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