NASCARがおこなった対策
他のスポーツが自粛を続ける中、再開をすることはとても思い切った判断である。そして、感染者を出してしまえば元も子もない。NASCARは再開にあたり、かなり厳しいガイドラインを発表した。
NASCARは普段なら日曜日にレースがある場合、木曜日ごろから各チームがトラックにやって来る。そして数回の練習走行、予選などを金曜日、土曜日とこなしている。しかし、NASCARは練習走行、予選をなくしてチームとドライバーのトラック滞在時間を減らした。これにより人との接触も減った。チームメンバーには全員マスク着用を義務づけた。そして、放送も通常3人から4人いるピットレポーターも1人に制限して通常よりも人数を減らして対応した。インタビューのマイクもソーシャルディスタンスが徹底されており、1.8メートル(6フィート)の棒の先にマイクを取り付けてインタビューを行っている。また、ビクトリーレーンにもドライバーだけでチームメンバーは入れないようになっている。また、プリレースセレモニーもほとんどの場合、国歌独唱、スタートコマンドはリモートまたは録画したもので対応。
もちろん、無観客レースとなった。現在は、場所にもよるがファンが戻りつつある。しかし、まだまだ油断はできない。
レース後のインタビュー |
NASCARは再開するにあたりノースカロライナ州の知事はNASCARのチームは働いていいと許可。そして、レーススケジュールを大幅に変更。各チームのショップがノースカロライナ州シャーロットにあることから、チームの移動を減らすためにサウスカロライナ州にあるダーリントンからレースは再開された。シャーロットからは車で二時間の距離なのでチームメンバーはトラックに泊まり込みはせず、レースが終わればすぐ帰るという日帰り弾丸スケジュールとなった。そして、ミッドウィークレースとして水曜日にもレースを開催した。その後も2戦はシャーロットで開催され、移動を軽減した対策を行った。その後、ブリストル、ホームステッド、アトランタ、タラデガなど各地を転々とするスケジュールになったが、練習走行、予選をなくしたワンデイレースを徹底している。
このワンデイイベントはこれからの主流となるか?
NASCARは年間30戦を超えるレースをアメリカ各地で開催している。ワンデイイベントをすることでチームの予算は削減できるが、ドライバーやチームにすれば情報量が少なく未知のレースとなる。(そのため、NASCARはコンペティションコーションを導入している。)2021年からネクストジェンカーが導入され、練習走行をしないとチームとしては情報量の少なさに苦戦すると考えられるが、事態を考えるとワンデイイベントはこれからの主流になるのではないかと考える。最初は練習走行や予選がなくてレースは成立するのだろうかと思っていた。以外にもレースは成立している。デメリットとしては、ワンデイレースにすると予選を決勝の前にやらないといけなくなるのでタイトなスケジュールになってしまう。現在はくじ引きや決勝レースのフィニッシュ順を逆にしたりして、予選の代わりとしている。
いつ頃から観客を招き入れることができるか?
現在はほとんどのレースで無観客である。ホームステッドとタラデガでは数千人程度を招待。レーストラックに入るには体温テェックがあり、マスクの着用も義務付けていた。
ブリストルでオールスターレースが開催されるが、ファンのアテンドを3万人まで許可した。8月に開催されるインディ500もインディアナポリスのキャパシティーの半分のチケットを販売したと発表。だんだん戻りつつあるファンだが、まだ厳しい状態が続いている。
フロリダに住んでいる友人に現在のフロリダの様子を聞いてみた。
友人はオーランド在住なのでデイトナなどに近い。
フロリダはホームステッドマイアミで1000人のファンを招いてレースが開催された。
現在の様子を聞いたところ、レストランなどは段階的にオープンしており店内でも食べれるようになったと言っていた。これを聞くと大丈夫そうと思うかもしれないが、外に出る際にマスクをしている人が少ないと指摘していた。フロリダはアメリカで1日の感染者数が最も多い週になってしまった。
今回のコロナウイルスがアメリカでも広がり、マスクを着けないアメリカ人でもマスクは身近な存在になりつつあるが、まだ多くの人はマスクを日常的につけるという習慣が日本人ほどはないようだ。段階的に経済活動が再開しているアメリカだがスポーツの観客動員は解決策が完全に見つかるまでは難しそうである。
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