2020年11月11日水曜日

NASCAR 世代交代を感じた最終戦

  ついに、2月にデイトナで始まったNASCARカップ戦も無事に終了した。

2020年の年間チャンピョンはチェイスエリオットとなった。レースについては次回詳しく。

今回の最終戦を見てNASCARの世代交代を実感した。今シーズンは西海岸連戦終了後、コロナウイルスの影響で約3か月間レースが中断され、ダーリントンで再開後、ダブルヘッダーレースや水曜日レースなどあらゆる手を尽くしシリーズは無事に最終戦を迎えることができた。

そんな中、今年でNASCARのフルタイム引退を表明していたジミージョンソンやクリントボーヤの引退などベテランの引退があった。多くのレーストラックで無観客やファンを制限してのレースが開催される中、NASCARを代表するドライバーが静かにラストレースをこなしていく姿を見るのは少し悲しかった。

 これまでにもデイルアンハートJr、ジェフゴードン、トニースチュアート、マットケンゼスなど2000年代前半から活躍してきたドライバーの引退を見てきた。NASCARの顔とも言えたドライバーの引退、若手のドライバーのカップ戦参戦をここ数年見てきて時代の変化を感じてきた。(ハービックは現役)

その中で今回の最終戦はチェイスエリオットのチャンピョン獲得、ジミージョンソンの引退で2000年代をリードしてきたドライバーの時代が終わり新たな時代に突入したと感じたレースだった。










NASCARの世代交代

 チェイスエリオットは今では3年連続のファン投票1位のドライバーにまで人気がある。カップ戦へのデビューは2016年でジェフゴードンの後釜としてデビューした。デビューから二年間は勝利がなくプレッシャーがのしかかる悔しいシーズンを過ごしていた。そして、カーナンバーを父であるビルエリオットが使っていた9番に変更。その年にワトキンスグレンで初優勝。チャンピョンシップ4まで残ったのは今季が初で、初めてのチャンピョンシップ4で初タイトルを獲得した。
 これまでも、ケヴィンハービック、カイルブッシュ、ジョーイロガーノなどの初チャンピョンはあった。しかし、チェイスエリオットのチャンピョン獲得はこれからの彼自身のレース人生とNASCAR全体を変える大きな意味があるように思えた。
 ジェフゴードンの引退後頃から、新しい若手ドライバーがカップ戦へと参戦してきた。ライアンブレイニー、ダニエルスワレス、オースティンディロン、アレックスボウマン等々。彼らはベテラン勢が活躍する中、優勝するなど活躍はしているものの往年のNASCARファンはどこか物足りない感や当時一番人気があったジュニアの引退でNASCARのファン離れがあったのは確かである。その後もFoxはジェフゴードンを、NBCはジュニアを解説として起用した。1990年代後半から2000年代にかけて約20年間活躍してきたドライバーの引退の影響は大きかった。


 






これからのNASCAR

ジミージョンソンの引退を見てこれからのNASCARについて考えてみた。NASCARを知らない人でもジェフゴードン、デイルジュニア、ジミージョンソンの名前はアスリートの一人として知られている。そして、10年以上NASCARを見てきたファンはテレビをつければジミージョンソンが毎戦のように優勝争いをし、5年連続チャンピョン、過去タイの7回のチャンピョンとNASCARを代表するドライバーであった。勝ちすぎたことで良くも悪くも私自身は、またジミーかと思うときもあった。しかし、多くの声援があり当時のスポンサーであったロウズのジャケットを着たファンは多かった。そして、多くのドライバーとファンからリスペクトされるドライバーであった。そんなNASCAR=ジミージョンソンの世代で育ったファンからすればこの5年間は変革であった。7回目のチャンピョン獲得後はジミージョンソンの不調が目立つようになり、長年コンビを組んできたクルーチーフのチャドカナウスと離れたりするなど3年前のドーバー以来勝てない日々が続き今まで見てきたジミージョンソンの力強い速さを見る機会が減っていた。引退も近いのかと思っていた矢先、今シーズン前に引退を表明。引退会見を見たときは7回チャンピョンの面影がなかったのを覚えている。勝てない日々が続く中、ヘンドリックのエリオット、ボウマンが勝つ姿を見るのはヘンドリックの復活と共にジミーが勝てない悲しみもあった。
これからのNASCARをリードしていくのはチェイスエリオットだろうと期待している。カップ参戦から4年目でチャンピョンを獲得しロードコースでは独占中だ。そして、ファン投票では1番人気がある。憎まれ役でもない完ぺきなキャラクターだ。少し、インタビューでは物静かなところもあるが、これからのNASCARをリードしていくのは間違いない。そして、ヘンドリックにとっても変化の年となるだろう。これまでジェフゴードン、ケイシーケイン、デイルジュニア、ジミージョンソンとベテランからアレックスボウマン、ウィリアムバイロンと若手へと世代を交代させ少し勢いを失っていた。その中で、来季からはベテラン勢が一人もいなくなり若手4人のチームとなる。そのチームを引っ張る一人としてエリオットはチャンピョン獲得という大きな仕事を成し遂げた。
 今まで2戦しかなかったロードコースレースが来季は6戦にまで増える。そして、ブリストルでのダートトラックや、2022年からは新しいマシンなどドライバーだけではなくNASCARも変化の年が訪れる。この新しいNASCARの時代をチェイスエリオットはじめとする若手にリードしてもらいたいと感じた。

 以上。

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