2020年11月14日土曜日

NASCAR2020最終戦 チェイスエリオットが念願のチャンピョン獲得

  いろいろあった2020シーズンも無事に終了。例年はサンクスギビング前にシーズンが終了するが、今年は2週間早くシーズンが終了した。コロナウイルスの世界的流行で一時はシーズンの続行もできないのではないかと言われていたスポーツ界で真っ先に5月からレースを再開し、シリーズ36戦すべてを終了した。


 チェイスエリオットがカップ参戦4年目にして初の年間チャンピョン獲得。

k&N(現ARCAメナードシリーズ)やネイションワイドシリーズ(現Xfinityシリーズ)でキャリアを積み、2016年からジェフゴードンの後釜としてヘンドリックからデビュー(初カップレースは2015年のマーティンズビル)。フルタイムデビュー1戦目のデイトナ500でポールポジションを獲得。父がビルエリオットということやNASCAR伝統の24番を背負っていることで期待はされていたが2018年まで勝利がないシーズンを過ごした。2018年にカーナンバーを9に変更。その年にワトキンスグレン・ロードコースでキャリア初優勝。その後もロードコースでは圧倒的な速さを見せシャーロットローバル、デイトナロードコースでも勝利している。まさに、ロードコースのスペシャリストと言える存在となっている。そして、今年が初めてのチャンピョンシップ4進出となった。

 今回のチャンピョンシップ4は2回目のチャンピョンを狙うブラッドケセロウスキーとジョーイロガーノのペンスキーと初チャンピョンを狙っていたデニーハムリンとチェイスエリオットの4人で争われた。チェイスエリオットはレース前の車検で2回も車検落ちしリアからのスタートとなった。しかし、このリアからのスタートがトラフィックの中を走れるマシンを作り上げていったと言える。他の3人は速さは申し分なかったがトラフィックや抜くときに後ろにつきにくいマシンとなっていた。ブラッドケセロスキーはリッチモンドで勝ったマシンをそのまま持ってきていて、ジョーイロガーノも春のフェニックスで勝ったマシンを持ってきていた。そして、デニーハムリンとチェイスエリオットは新車を持ってきていた。ステージ1終了前にはチェイスエリオットもトップ争いに加われるポジションまで上がってきていた。ステージ1はジョーイロガーノが取り、ステージ2はチェイスエリオットとのバトルを制しブラッドケセロウスキーが勝ち取った。最終戦はステージポイントは重要ではないが、今回の最終戦はレースの全体を見てもチャンピョンシップの4人が常時トップ争いをしていたため、レースの勝者がチャンピョンを獲るという戦い方になっていた。
ファイナルステージではチェイスエリオットが3秒のギャップを作り、見事初チャンピョンを獲得した。










ブラッドケセロウスキーはレース後のインタビューで「トラックシリーズやXfinityみたいに最後にリスタートがあれば勝てた」とコメントしていた。

デニーハムリン今年もチャンピョンを逃す

今年もデニーハムリンはチャンピョンを獲得できなかった。去年も絶好の状態で今年こそはチャンピョンかと言われていたが、フロントの水温のテープを間違えるミスによりエンジンブローしてしまった。今シーズンはケビンハービックに次ぐ7勝をしていて、今年こそチャンピョンに一番近いところまできたがペンスキーの2台とチェイスエリオットには勝てなかった。今年は最多勝利のケビンハービックがチャンピョンシップ4に進出できずチャンスはハムリンかと思われていたがまたお預けとなった。











Big NのFAST Thoughts

今回の最終戦はジミージョンソンの引退やデニーハムリン、チェイスエリオットの初チャンピョン獲得が掛かった戦いだった。そして、テェイスエリオットが初チャンピョンを獲得。ペンスキーやJGRの勢いに負けていたヘンドリックが勢いを取り戻した一戦だったともいえる。そして、例年まではホームステッドでの最終戦から1マイルのフェニックスに変わっての最終戦となり、リード争いをチャンピョンシップ4の4人で争う見ている側としては面白い最終戦となった。







2020年11月11日水曜日

NASCAR 世代交代を感じた最終戦

  ついに、2月にデイトナで始まったNASCARカップ戦も無事に終了した。

2020年の年間チャンピョンはチェイスエリオットとなった。レースについては次回詳しく。

今回の最終戦を見てNASCARの世代交代を実感した。今シーズンは西海岸連戦終了後、コロナウイルスの影響で約3か月間レースが中断され、ダーリントンで再開後、ダブルヘッダーレースや水曜日レースなどあらゆる手を尽くしシリーズは無事に最終戦を迎えることができた。

そんな中、今年でNASCARのフルタイム引退を表明していたジミージョンソンやクリントボーヤの引退などベテランの引退があった。多くのレーストラックで無観客やファンを制限してのレースが開催される中、NASCARを代表するドライバーが静かにラストレースをこなしていく姿を見るのは少し悲しかった。

 これまでにもデイルアンハートJr、ジェフゴードン、トニースチュアート、マットケンゼスなど2000年代前半から活躍してきたドライバーの引退を見てきた。NASCARの顔とも言えたドライバーの引退、若手のドライバーのカップ戦参戦をここ数年見てきて時代の変化を感じてきた。(ハービックは現役)

その中で今回の最終戦はチェイスエリオットのチャンピョン獲得、ジミージョンソンの引退で2000年代をリードしてきたドライバーの時代が終わり新たな時代に突入したと感じたレースだった。










NASCARの世代交代

 チェイスエリオットは今では3年連続のファン投票1位のドライバーにまで人気がある。カップ戦へのデビューは2016年でジェフゴードンの後釜としてデビューした。デビューから二年間は勝利がなくプレッシャーがのしかかる悔しいシーズンを過ごしていた。そして、カーナンバーを父であるビルエリオットが使っていた9番に変更。その年にワトキンスグレンで初優勝。チャンピョンシップ4まで残ったのは今季が初で、初めてのチャンピョンシップ4で初タイトルを獲得した。
 これまでも、ケヴィンハービック、カイルブッシュ、ジョーイロガーノなどの初チャンピョンはあった。しかし、チェイスエリオットのチャンピョン獲得はこれからの彼自身のレース人生とNASCAR全体を変える大きな意味があるように思えた。
 ジェフゴードンの引退後頃から、新しい若手ドライバーがカップ戦へと参戦してきた。ライアンブレイニー、ダニエルスワレス、オースティンディロン、アレックスボウマン等々。彼らはベテラン勢が活躍する中、優勝するなど活躍はしているものの往年のNASCARファンはどこか物足りない感や当時一番人気があったジュニアの引退でNASCARのファン離れがあったのは確かである。その後もFoxはジェフゴードンを、NBCはジュニアを解説として起用した。1990年代後半から2000年代にかけて約20年間活躍してきたドライバーの引退の影響は大きかった。


 






これからのNASCAR

ジミージョンソンの引退を見てこれからのNASCARについて考えてみた。NASCARを知らない人でもジェフゴードン、デイルジュニア、ジミージョンソンの名前はアスリートの一人として知られている。そして、10年以上NASCARを見てきたファンはテレビをつければジミージョンソンが毎戦のように優勝争いをし、5年連続チャンピョン、過去タイの7回のチャンピョンとNASCARを代表するドライバーであった。勝ちすぎたことで良くも悪くも私自身は、またジミーかと思うときもあった。しかし、多くの声援があり当時のスポンサーであったロウズのジャケットを着たファンは多かった。そして、多くのドライバーとファンからリスペクトされるドライバーであった。そんなNASCAR=ジミージョンソンの世代で育ったファンからすればこの5年間は変革であった。7回目のチャンピョン獲得後はジミージョンソンの不調が目立つようになり、長年コンビを組んできたクルーチーフのチャドカナウスと離れたりするなど3年前のドーバー以来勝てない日々が続き今まで見てきたジミージョンソンの力強い速さを見る機会が減っていた。引退も近いのかと思っていた矢先、今シーズン前に引退を表明。引退会見を見たときは7回チャンピョンの面影がなかったのを覚えている。勝てない日々が続く中、ヘンドリックのエリオット、ボウマンが勝つ姿を見るのはヘンドリックの復活と共にジミーが勝てない悲しみもあった。
これからのNASCARをリードしていくのはチェイスエリオットだろうと期待している。カップ参戦から4年目でチャンピョンを獲得しロードコースでは独占中だ。そして、ファン投票では1番人気がある。憎まれ役でもない完ぺきなキャラクターだ。少し、インタビューでは物静かなところもあるが、これからのNASCARをリードしていくのは間違いない。そして、ヘンドリックにとっても変化の年となるだろう。これまでジェフゴードン、ケイシーケイン、デイルジュニア、ジミージョンソンとベテランからアレックスボウマン、ウィリアムバイロンと若手へと世代を交代させ少し勢いを失っていた。その中で、来季からはベテラン勢が一人もいなくなり若手4人のチームとなる。そのチームを引っ張る一人としてエリオットはチャンピョン獲得という大きな仕事を成し遂げた。
 今まで2戦しかなかったロードコースレースが来季は6戦にまで増える。そして、ブリストルでのダートトラックや、2022年からは新しいマシンなどドライバーだけではなくNASCARも変化の年が訪れる。この新しいNASCARの時代をチェイスエリオットはじめとする若手にリードしてもらいたいと感じた。

 以上。

2020年11月5日木曜日

NASCAR チャンピョンシップ4進出をかけた戦い マーティンズビル

 NASCAR年間チャンピョンを決めるチャンピョンシップ4への進出をかけたラウンド8最終戦がマーティンズビルで開催された。レースは500周によって争われた。

 マーティンズビルで8人が4人まで絞られ、4人によって最終戦フェニックスで年間チャンピョンが争われる。

マーティンズビルが始める前はジョーイロガーノが1勝しており、チャンピョンシップ4進出を決めていた。残りの3席についてはシーズン9勝のケビンハービックが42ポイントのリード、デニーハムリンが27ポイント、ブラッドケセロスキーが25ポイントのリードを持っていた。5番手につけていたアレックスボウマンからカートブッシュまでは勝ちが絶対条件となっていた。

レースはチェイスエリオットの勝利で、同時にチャンピョンシップ4進出を決めた。


シーズンを支配してきたハービックが敗退

ケビンハービックは42ポイントのアドバンテージがありよほどのミスをしない限りチャンピョンシップ4進出は間違いないと思われていた。しかし、レース序盤からトラブルで2周遅れとなり、コーションごとにラッキードッグを争う悪循環へと陥ってしまっていた。レース後半には何とか同一周回でレースをしていたが、チェイスエリオットがリードしておりハービックがこのままフィニッシュした場合、ハムリンとの差が1ポイントでハービックが敗退する構図となった。最終ラップまで1ポイントの差が続き、ケビンハービックは最終ラップのターン4でカイルブッシュと接触した。ケビンハービックはレギュラーシリーズチャンピョンもとりシーズン9勝した中で最後のラウンド8で不調が続いてしまいチャンピョンシップ4進出を逃してしまった。







ハムリンも危なかった。

ハムリンもハービックに続いて今シーズンをリードしてきたうちのひとりだ。そんな、ハムリンもレース後半順位を落とす場面が見受けられ、あと1ポジション落とすと脱落のところまで落ちてしまっていた。ハムリンはなんとかチャンピョンシップ4進出を決めた。





ハムリン(JGR)はレース後にペナルティを受けていたかもしれない

レース後にNASCARは無線を公開し、デニーハムリンとエリックジョーンズの間でチームオーダーがあったのではないかと調査を開始した。結果的には両方にペナルティはなかった。
調査の対象となったのは、エリックジョーンズがデニーハムリンをパスしようとしたときにチームからデニーはポイントが重要だから、抜くなよと指示があった。NASCARのルールには、いかなる状況でも100パーセントの力でレースしなければいけないと記載されている。この意味はチームオーダーの禁止、チームメイトでも自分の方が速ければ抜かなければいけないことになる。今回は両方にペナルティはなかったが、これから同じようにチームメイト同士で一方がチャンピョン争いをしている状況などで道を譲ったり、わざとパスしないことを許してしまうと台数が多いチームが有利になってしまう。シングルカーチームとマルチカーチーム公平に戦うためにもチームオーダーのルールははっきりとするべきだと思った。


チャンピョンシップ4

チャンピョンはブラッドケセロウスキー、ジョーイロガーノ、テェイスエリオット、デニーハムリンの四人で争われる。今年から、ホームステッドではなくフェニックスで争われるため、予想ができない展開だ。
ケセロウスキーとロガーノは二回目のチャンピョンを目指しており、デニーハムリンとチェイスエリオットは初タイトルを懸けた戦いとなる。
ロガーノは春のフェニックスで勝利しており、速さはある。そして、一番怖いのはケセロウスキーだ。ケセロウスキーは同じセッティング(750馬力)のショートオーバルのブリストルで勝利しており、そのマシンをバーンアウトもせずに綺麗に保ったままインタービューでもこのマシンをフェニックスに持っていくと言っていたので要注目で怖い存在となるだろう。



約8時間の末決着したデイトナ500 2021

 フロントローモータースポーツの快挙  NASCAR開幕戦デイトナ500は予定通り現地午後3時から開催された。レース開始から14周目に一回目のビッグワンが発生し、雨も降り始め、16周目でレースは中断した。約6時間の中断後、レースは再開された。再開後は14周目までが嘘かのようにシン...