2020年7月30日木曜日

NASCARドライバーのジミージョンソンがインディカーをテスト

 NASCARで7回の年間チャンピョンを獲得しているジミージョンソンがついにIMSでインディカーをテストした。
 ジミージョンソンは今年でNASCARからの引退を表明しており、シーズン開始前からも他のレースカテゴリーに興味を持っていた。特にオープンホイールに興味を持っており、去年のインディ500のプラクティスやCOTAで行われたテストに足を運んでいた。
 コロナウイルスのパンデミック前にはアラバマでマクラーレンからインディカーのテストが予定されていたがパンデミックの影響で白紙となっていた。その後、NASCARも約2か月間の間レースが中断する中、インディカーとNASCARではiRacing(本格的なビデオシミュレーションゲーム)でレースが開催された。そのiRacingにジミージョンソンも参戦。ジミージョンソンはNASCAR仕様のシミュレーションではなく本格的なフォーミュラカー仕様のシミュレーションを利用していた。
 NASCARとインディカーが再開され、初めてIMSでダブルヘッダーが開催された中、ジミージョンソンがチップガナッシレーシングからインディカーのテストを行うと発表された。しかし、IMSでのレース前にジミージョンソンにコロナウイルスの陽性反応が出たことで、レースも欠場しテストも再び延期となった。そして、今回アメリカ現地火曜日にIMSでテストが行われた。テストにはスコットディクソンがレーシングアドバイザーを務めるなど本格的にテストが行われた。
 チップガナッシレーシングは今季開幕四連勝しており、インディカーでは勢いにのっているチームだ。一方NASCARではカイルラーソンの問題などありゴタゴタのシーズンだが決して弱いチームではない。
Jimmie Johnson works in IndyCar test at Indianapolis | NASCARNASCAR champ Jimmie Johnson enamored with IndyCar after test

 今後のジミージョンソン

 ジミージョンソンは今年でNASCARを引退すると発表している。そして、コロナパンデモニウムの影響で引退しないなどのうわさもあったがFOXのインタビューではNASCARからは引退するが他のレースには興味がありドライバーは引退しないと答えている。また、インディカーに興味があり今回テストしたが、スーパースピードウェイなどのオーバルコースには興味がないと答えていた。しかし、最近になりインディ500の出場も噂されている。エアロスクリーンが導入され安全性が向上しオーバルでの大きな事故も防げるようになったからではないかといわれている。

 現在、ジミージョンソンはNASCARでは少しスランプに陥っている。最後に勝ったのが二年前のドーバーでそれ以来勝利がない。クラッシュも目立つレースが多くなり、今シーズンはリードラップを走行中に周回遅れと絡みクラッシュなどトラブルが目立っている。NASCAR歴代最多の7回という輝かしい功績を持ったドライバーで20年近くNASCARだけで戦ってきたジミージョンソンだが、ドライバー人生の転機としてインディカーにフル参戦するのも悪くはないと考える。今後のジミージョンソンの動きに注目だ。


 ヘンドリックの48はどうなるのか?

 ジミージョンソンが引退することで空きが出るヘンドリックモータースポーツ。3台体制に縮小されるのか、ルーキーを起用するのか、それともベテランを起用するのか注目されてきた。今、一番有力な情報はチームペンスキーから参戦しているブラッドケセロウスキーを起用する案だ。彼はチャンピョン経験者であり、今年でチームペンスキーとの契約も切れフリーになる。ルーキーを起用するよりもベテランを起用するべきだとチームは考えていることからブラッドケセロスキーは有力な候補となっている。そして、昨日ツイートでどこのチームとかははっきりと明らかになっていないが交渉中とツイートされていたことから近日中に発表があるだろう。
 ヘンドリックはジェフゴードン、デイルアンハートJr、ジミージョンソン、ケイシーケインの四強の時代から今は若手三人と一変した。他にも様々なドライバーを起用してきたヘンドリックだがこの四人がいたころのチームは黄金期だったと言えるだろう。これからのヘンドリックの動きにも注目だ。Hendrick Motorsports | LinkedIn
 

 

NASCAR 2020シーズンは練習走行と予選なしで開催

 コロナウイルスにより約3か月間レースを休止し、5月からダーリントンでレースを再開したNASCAR。これまで、チームの接触を減らすための対策として、カップ戦では練習走行、予選を無くしていた。予選方式も、くじ引きやレース結果を逆にしてみたりしてスタート順を決めていた。
 そして、NASCARは正式にこれからの2020シーズンは引き続き練習走行と予選をしないと発表された。これから、9月に入るとチャンピョンシップをかけたプレーオフが始まり、予選なしでくじ引きでスターティンググリッドを決めるのはどうかなと思う。ワンデイイベントで午前中に予選だけしてもいいのではないだろうか?問題点としては、NASCARは約40台の参戦があり、一回の予選に時間が掛かってしまう。

 デイトナのロードコースも練習走行なし
 急遽、スケジュールに組み込まれたデイトナのロードコースでも練習走行と予選は行われない。デイトナのロードコースをストックカーが走るのは初めてですべてのチームは情報がゼロの状態からレースをしなければいけない。
What channel is NASCAR on today? Time, TV schedule for postponed ...

2020年7月26日日曜日

NASCAR デニーハムリン絶好調

 NASCARカップ戦はアメリカ・カンザスで木曜日の夜に開催された。
レースの勝者はデニーハムリン(JGR)。今年はデニーハムリン絶好調の年で今季5勝目を獲得。いま最も勢いがあるドライバーだ。ハムリンはレース序盤から速さを見せステージ1はチームメイトのカイルブッシュに獲られたもののレースをリードするなど安定した速さを見せた。レース終盤は荒れた展開になりコーションが多発、レッドフラッグも降られる荒れた展開となった。その中で作戦を分けてきたマシンがいた。196周目のイエローコーションでマットケンゼスは燃料のみでポジションをアップ、しかしタイヤがきつく後退。他にもウィリアムバイロン(ヘンドリック)や同じくヘンドリックのアレックスボウマンなどが2タイヤでポジションアップ。一時、レースをリードしたもののフレッシュタイヤに負けてしまった。
写真:Jamie Squire
レース全体を通して速かったデニーハムリンとブラッドケセロウスキー

 カイルブッシュ

今季初ステージウィンを獲得したカイルブッシュ。レース序盤も70周以上のラップリードを重ね、ステージ2でもピットで順位を落としたものの、トップ5をキープしており今日こそ勝てるかと思っていたが、225周目三番手を走行中、壁にヒット。結局初優勝にならず11位完走となった。
写真:Jamie Squire 

プレーオフ進出バトル

プレーオフ進出をかけた16位、15位のバブルドライバーの争いが面白くなっている。プレーオフ(チャンピョン争い)に進出するには16位までに入らなければいけない。そして、勝つとプレーオフに進出できる権利を手にするが勝ちがないドライバーはポイント順で進出枠を争うことになる。現在5勝のハムリンがリードしており10人の勝者がプレーオフ進出を確定している。11位のエリックアルミローラ(SHR)から16位のウィリアムバイロンまではポイント順となっている(カンザス終了後)。カンザスのレース前は16位にジミージョンソン(ヘンドリック)、17位にウィリアムバイロンと2ポイント差だったのが、カンザス終了後にジミージョンソンが19位まで後退しウィリアムバイロンとの差が18ポイントにまで広がった。他にも17位にタイラーレディック(10ポイント差)、18位エリックジョーンズ(18ポイント差)とわずかなポイント差でプレーオフまでに入れ替わりが起こるので必見である。また、プレーオフスタンディングの16位圏外から勝者が出ると繰り下げられので、残り少ないレギュラーシーズンでバブルドライバーはポイントを確実に取り勝利も欲しいところである。
今シーズンで引退のジミージョンソンだがまだプレーオフ進出バブルにいる。

 次戦は1.5マイルから1マイルのニューハンプシャーで開催される。その後はミシガンでダブルヘッダーと夏の暑い時期に連戦が続く。
 

2020年7月20日月曜日

リチャードチルドレスレーシング 1‐2フィニッシュ

 アメリカ・テキサス
 334周/500マイルで争われたカップ戦。8回のコーション、1回のレッドフラッグが出る荒れたレースとなった。レースを制したのはリチャードチルドレスレーシングのオースティンディロン。2018年のデイトナ以来の優勝となった。そして、同じくリチャードチルドレスレーシングでルーキーのタイラーレディックが2位フィニッシュ。リチャードチルドレスレーシングの1‐2フィニッシュとなった。
 レースはステージ1とステージ2はライアンブレイニー(ペンスキー)が速くレースを支配した。レーストラックが新しく改修されバンクが浅くなったことでタイヤの持ちが厳しいとされていたテキサス。今回は、意外にもタイヤのたれが少なく、4タイヤチェンジと2タイヤ、ノータイヤチェンジの差が少なく見えた。実際に、307周目のイエローのピット作業ではタイラーレディックは燃料のみでピットアウトしトップに浮上。オースティンディロンは2タイヤを選択した。2タイヤでも速さに著しい衰えはなかった。
最後のリスタートで4タイヤを選択したカイルブッシュとジョーイロガーノがセカンドローにつけるなか、4タイヤのアドバンテージを生かし、2タイヤのオースティンディロンとノータイヤチェンジのタイラーレディックを抜くことができるか注目したが、あまり4タイヤと2タイヤの差がなく抜くことができなかった。これはリチャードチルドレスの作戦勝ちとなった。

写真:Brian Lawdermilk
リチャードチルドレスレーシングは決して強豪チームとは言えない状況だが今回の1‐2フィニッシュで大きくチャンピョンシップに向け勢いがついたといえる。去年はプレーオフにも進めず苦しいシーズンとなった。しかし、今年はXfinityで2回チャンピョンになっているタイラーレディックを起用しルーキーながらトップ10上位に食い込む強さを見せている。タイラーレディックは現在プレーオフスタンディングでは18位とプレーオフ出場圏外だが、16位のジミージョンソンから14ポイントの差なのでポイントでも十分にプレーオフ進出ができる位置にいる。
スーパースピードウェイの運で勝ったのではなく着実に1.5マイルで勝ち、力をつけている。
Brian Lawdermilk 

 ジミージョンソン

 レース序盤は後方から追い上げ、ペナルティもあり最後尾からの追い上げで速さを見せたジミージョンソンだったが117周目に壁にヒットしてしまい順位を落とした。結局20位完走という結果に終わった。ジミージョンソンはプレーオフスタンディングの16位におりチームメイトのウィリアムバイロンと2ポイントの差しかない。もし、16位以下のドライバーが勝ってしまうと押し出されてしまう。プレーオフ進出に向け勝ちが何としても必要な位置にいる。

 また勝てなかったカイルブッシュ

 速さを見せておりトップ10を走っていたカイルブッシュだったが219周目に発生したビッグワンともいえるクラッシュに巻き込まれ後退。カイルブッシュは3ワイドの真ん中になってしまい、後ろから来たエリックアルミローラ(SHR)がタイトになりカイルブッシュとコンタクト。カイルブッシュはグラスへと突っ込んでしまった。このクラッシュで後退したものの4位でフィニッシュ。悪くない順位だが勝ちが欲しいカイルには悔しい結果となった。現在はプレーオフスタンディングでは13位とまだ安全圏にはいるが17位のウイリアムバイロンから85ポイントの差だ。
 レース後のインタビューで「クラッシュに巻き込まれ、どうやって4位まで上がってこれたのですか?」と聞かれ「KFB」の一言で返答。おそらく、「Kyle Fast Busch」ではないかと思う。SNS上では「Kyle F*** Busch」などとも目にした。これは勝てていないカイルブッシュを皮肉ったジョークでしょう。
写真:Tom Pennington
タイトになったアルミローラに押し出されたカイルブッシュ

 次戦はカンザスでレースが行われる。同じ1.5マイルでもテキサスとは違いDシェープなので違ったレース展開になるだろう。

2020年7月19日日曜日

カイルブッシュ 名誉挽回のトラックシリーズ優勝

 アメリカ・テキサス州で土曜日、Xfinityシリーズとトラックシリーズのレースが開催された。Xfinityレースは土曜日の午後に開催され、トラックシリーズが土曜日の夜に開催された。
 
 Xfinityは200周で争われた。カイルブッシュが優勝。今季、カップ戦では勝てていないカイルブッシュが優勝したものの、レース後の車検で違反が発覚。そのため、2位でフィニッシュしたオースティンシンドリックが優勝。オースティンシンドリックは今季初オーバル勝利をケンタッキーで手にした。そして、オースティンシンドリックはプレーオフスタンディングでは2位とチャンピョン獲得に向け大きくリードしている。
写真:Brian Lawdermilk
ティムシンドリックの息子オースティンシンドリックが順位が繰り上げられ優勝。

 

 トラックシリーズでカイルブッシュが名誉挽回

 トラックシリーズは167周で争われた。Xfinityシリーズに続き、トラックシリーズにもカイルブッシュが出場した。Xfinityで1位フィニッシュしたものの、レース後の車検違反になった、カイルブッシュが優勝。レース後の車検も違反はないと報告された。Xfinityで悔しい思いを晴らすかのような勝利となった。
 昔のカイルなら諦めていた場面もあきらめずに最後まで冷静に戦えるドライバーになったと実感した。
写真:Chris Graythen
今季、カップ戦で勝ちが欲しいカイルブッシュだが勢いはついただろう。

 このままの勢いをカップ戦に持っていけるか? 今季一度も勝っておらず、プレーオフポイントも0である。チームメイトのデニーハムリンとは対照的なシーズンになっている。カップ戦のドライバーの中で一番勝ちが欲しいドライバーではないだろうか。
 カップ戦は現地日曜日午後3時からテキサスでグリーンフラッグ。ポールポジションはエリックアルミローラ。トラックシリーズやXfinityのドライバーが言っていたようにかなり路面が滑りやすいみたいだ。

2020年7月17日金曜日

チェイスエリオット 100万ドル獲得

 今週の水曜日、世界最速のショートオーバル・ブリストルでオールスターレースが開催された。例年、シャーロットで開催されていたオールスターレースだが今年はコロナウイルスの影響でブリストルで開催された。勝者はチェイスエリオット。見事100万ドルを
手にした。オールスターレースは、レギュラーシーズンのポイントや勝ち数は加算されず100万ドルのためだけにドライバーがレースするガチンコバトルである。

そして、今回は観客数を大幅に増やした3万500人の動員であった。

また、新たな試みであったレースカーの足元を照らすライトの装着やコーンルール(レーン選択)など遊び心があった普段のレースでは見れない試みがいろいろとあった。
マシンの足元のライトはマニュファクチャラーごとに色が違い、トヨタはオレンジ、シボレーはオレンジ、フォードが青と分かれていた。
NASCAR All-Star Race at Bristol Motor Speedway - Underglow lights
 写真:Jared C. Tilton/Getty Images
各マニュファクチャラーによりライトの色が違う。

4-All-Star - MRN - Motor Racing Network
写真:Getty Image 

オールスターレースでは番号の位置も少しずらし空いたスペースをスポンサーロゴにすることが試された。個人的な意見だが思ったよりも悪くない。スポンサーのロゴにもよると思った。似合うスポンサーロゴは似合う。


コーン(チューズ)ルール
今回、試験的に導入されたコーンルール。ローカルトラックのレースでは採用されていて、今回は実際にコーンを置くのではなく、コーンに見立てた線をトラック上に書いてあり、リスタートしたいレーンの方をドライバーが通過する仕組みとなった。
NASCAR’s choose rule experiment ‘worked well’ in All-Star Race
トラック上にコーンを見立てて描かれた線
Jared C. Tilton/Getty Images
 どのように、働くかやレース展開がどのように動くか注目していた。残念ながら、現地テレビ局(FOX、FS1で放送)があまり、実際にドライバーたちがリスタート前にレーンを選んでいるシーンが映っておらず、リスタート時に見ている側としては混乱する場面があった。ハービックなどは好んでアウトサイドを選択しており、レース全体としても、アウトサイドが有利に見えた。


 親子でオールスターを制す 

チェイスエリオットの父ビルエリオットも1986年のオールスターレースを制している。この時のオールスターレースはアトランタで開催されていた。アンハート家に続く親子2代でオールスターを制した。
OTDIH: In 1986, Bill Elliott leads 82 laps to win The Winston at ...
1986年のオールスター

Elliott joins his father as winner of NASCAR's All-Star race | KMPH
写真:AP Photo/Mark Humphrey

2020年7月15日水曜日

NASCARと政治

 NASCARは他のモータースポーツカテゴリーと比べれば政治との関りが強い。
アメリカを拠点としているのも一つかもしれないが、選挙など政治活動が関与することもある。
 今年、アメリカは4年に一度の大統領選挙の年である。
NASCARは特に共和党とのつながりが強いように感じる。NASCARが共和党と仲が良いと言うよりも、NASCARの昔からのファンに共和党支持者が多いというのが正しいかもしれない。ファン母体に南部の人々が多いことから共和党支持者が多いように見受けられる。自由の国で自己主張が強いアメリカでは町でも家の前にTRUMP2020の旗を掲げているのを目にする。他にもトランプ大統領の帽子をかぶった人なども。話が少しずれたが、NASCARと政治の関りを見ていこう。

  記憶に新しいのは、今年のデイトナ500にトランプ大統領がグランドマーシャルとしてデイトナにやってきた。スタートコマンドをして、大統領専用車でパレードラップも行った。大統領選挙の年ということで選挙活動の一環だったのか真相は分からない。2004年には当時大統領だったジョージブッシュがデイトナ500を訪れた。面白いことに、この年も現役で二回目の当選を目指していた年であった。そして、両方とも共和党というところも興味深い。
2004年と2020年


 スポーツジャーナルによると、NASCARは政治的スポンサーの禁止を検討したディスカッションの初期的段階にあると報道。32号車のコリーラジョーイのマシンにTRUMP2020のスポンサーがついたことから議論が始まったとしている。
https://sports.yahoo.com/nascar-reportedly-discussing-potential-ban-on-political-sponsorships-183826645.html
 
 過去には2016年の大統領選挙時にはいくつかのトランプ支持スポンサーが存在した。
他にも、2004年にはカークシャルマーディンがブッシュチェニーのステッカーを貼り連邦選挙局から警告があった。
Reed Sorenson practices for the NASCAR Sprint Cup Series AAA Texas 500 at Texas Motor Speedway in Fort Worth, on Nov. 4, 2016.
写真:Matt Sullivan/NASCAR Getty Images
2016年の大統領選
トランプ政権は日本車に高い関税を課せるなどと輸入車規制を選挙公約にしていた。トヨタのマシンにトランプ2016のスポンサーが付くのもなにか皮肉のようだ。実際にはアメリカ市場で販売されているカムリはアメリカのアラバマ州にある工場で生産されている。

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9レースのスポンサー契約をしたペイント。
今回のコリーラジョーイのスポンサーの件はPACという政治団体がGO Fansレーシングのスポンサー権を買ったと報道されている。ポコノではステッカー一枚になんと35万ドル(3700万円)をPACが払ったとも報道されている。そして、チームはPACと前回のインディアナポリスを含む9レース契約したと発表。チームやドライバーが支持を表明しているのではなく、PACがスポンサー権を買ったということになる。
Corey LaJoie, driver of the No. 32 Built Bar Ford, during the NASCAR Cup Series Pocono 350 at Pocono Raceway on June 28, 2020.
写真:Jared C. Tilton/Getty Image
リアにTRUMP2020のロゴが見える。

 選挙などの政治には直接関りはないが、NASCARで年間チャンピョンになった場合、ホワイトハウスに招待される。
President Obama and Kevin Harvick on South Lawn
Official White House Photo by Pete Souza

2020年7月14日火曜日

NASCARカップ戦 4年ぶりにルーキーが優勝

NASCARカップ戦 4年ぶりにルーキーが優勝 

アメリカ ケンタッキーで開催されたNASCAR カップ戦でルーキーのコールカスター(スチュワートハースレーシング)が優勝。レース残り2周にベテラン2人をアウトサイドから抜き見事初優勝を成し遂げた。リスタート時にケビンハービック(スチュワートハースレーシング)とマーティントューレックスJr.(JGR)がトップバトルを展開しお互いにコンタクトしトューレックスがアウトに膨らんだところを後ろからカスターが攻め込みホームストレートで4ワイドになりながら最終ラップにトップへと出た。
ラスト一周。コールカスターはアウトサイド。


 ルーキーの勝利 

ルーキーの勝利は2016年のポコノでクリスブッシャーが勝って以来となった。この時のクリスブッシャーは雨で短縮レースになった為、作戦と運で勝った。最近のカップ戦ではルーキーがいい走りをしていてもなかなか勝つという状況がなかった。Xfinityでチャンピョンになっていても、カップ戦では勝てないことが続いていた。特に、期待されていたカイルラーソン、オースティンディロン、チェイスエリオットやライアンブレイニーもルーキーイヤーには勝てず1年、2年経って初優勝を飾っている。
 ヘンドリックのウィリアムバイロンもまだ勝てていない中での今回のコールカスターの勝利となった。
 まさか、コールカスターが最初のウィナーになるとは思ってもいなかった。コールカスターは2016年にジュニアモータースポーツからXfinityレースにデビュー。その後、スチュアートハースレーシングからXfinityに参戦し2020年シーズンからカップ戦にフル参戦している。
 ジョンハンター二メチェック(フロントローモータースポーツ)、クリストファーベル(Leavineファミリーレーシング)やタイラーレディック(リチャードチルドレス)などルーキーが好調の年でもある。


2000年代のルーキーウィナー

2000年代には13人のルーキーウィナーが誕生している。
古い順に紹介しよう。
2000年 デイルアンハートJr.がテキサスでカップ戦キャリア初優勝。この年のリッチモンドでも二勝目を記録した。
写真:ISC Images & Archives via Getty Images

同じく2000年 マットケンゼス シャーロットで初優勝。
写真:ISC Archives

2001年 ケビンハービックがアトランタで初優勝。この勝利は、2001年のデイトナで亡くなったデイルアンハートの代わりに急遽乗ることとなったケビンハービックが優勝しチームを活気づけた勝利でもあった。この時、ハービックはブッシュシリーズ(現在のXfinityシリーズ)に参戦しており、2002年からカップ戦のデビューが決まっていた。
Rewatch Kevin Harvick's first Cup win in Dale Earnhardt's car | NASCAR
写真:Jonathan Ferrey | ALLSPORT
この勝利は英雄だったデイルアンハートを亡くし悲しんでいたNASCAR全体を勇気づける勝利となった。
2002年 ジミージョンソン オートクラブスピードウェイで初優勝。その後ドーバーでも二連勝した。
2002 Johnson California
NASCAR:Getty Images
同じく2002年 ライアンニューマンがニューハンプシャーで勝利。当時、ライアンニューマンはロケットニューマンと呼ばれていた。
Ryan Newman at New Hampshire
Donald Miralle | Getty Images

2003年 グレッグビッフル 夏のデイトナを制した。
AMA Photos, Daytona International Speedway
©Sutton Motorsport Images

2005年 カイルブッシュ オートクラブスピードウェイで初優勝し同じ年のフェニックスでも二勝目を記録した。当時はヘンドリックからの参戦だった。
California Dream: Kyle Busch Wins First Cup Race
Hendrick Motorsports  

2006年 デニーハムリン ポコノで初優勝し7月のポコノも制した。
Doug Pensinger | Getty Images

2007年 ファンパブロモントーヤ これは意外だった。モントーヤがルーキーイヤーに勝っていたとは知らなった。オーバルでは勝てなかったモントーヤだったがソノマで初優勝した。モントーヤの勝利はカップ戦初となるアメリカ人以外の勝者となった。
Cole Custer is the first full time rookie to win a non-weather ...
NASCARのオーバルでは成績が振るわなかったがロードコースではソノマ以外にもワトキンスグレンで優勝している。

2009年 ジョーイロガーノ ニューハンプシャーで初優勝。
Jerry Markland | Getty Images

2016年 クリスブッシャー ポコノで優勝。
Photo by Brian Lawdermilk/Getty Images
フロントローモータースポーツでカップ戦初優勝。今年からラウシュに移籍している。

そして、今回のコールカスターと14人のルーキーウィナーが誕生した。
写真:Jared C. Tilton | Getty Images

NASCAR 新しいペイントスキームを発表

 NASACARはオールスターレースで新しいペイントを試みるとしていた。内容は、今までカーナンバーが真ん中にあ、スポンサーロゴはボンネットまたはリアタイヤの上あたりにあった。それを、スポンサーロゴをカーナンバーがあったところに貼り、カーナンバーを少しずらすと発表。これを聞いたとき本当かよと思った。NASCARは他のモータースポーツカテゴリーと違いカーナンバーはドライバーやチームの歴史が詰まっている。例えば、48と言われればジミージョンソン、3と言われればデイルアンハート(現在オースティンディロン)などと往年のファンや新しいファンからも親しまれるカーナンバーがいくつも存在する。そのカーナンバーを小さくしてスポンサーロゴを貼るとはと思っていた。
 スポンサーを大事にするNASCARですが、NASCARはずっとカーナンバーを側面の真ん中に大きく表示するのが一般的だった。IMSAスポーツカーや日本のスーパーGTでは側面にスポンサーロゴを貼っているマシンが多い。


今回発表されたペイントを見るとそこまで悪くない。
一例を紹介してみる。
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チップガナッシレーシング:マットケンゼス#42
マクドナルドのロゴが良い感じに配置されており、思っていたより悪くない印象。

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JGRの4台
こちらは、JGRの4台。マーティントゥーレックスJrのBass Pro Shopsはなかなか似合っている。

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SHR
SHRの4台。悪くはないが、そこまで似合っているとも言えない。

似合う似合わないはスポンサーのロゴ、デザインにもよるかもしれない。
スポンサー獲得が難しくなっているNASCARの新たな取り組み。果たして、来年からの採用となるのか。

オールスターレースのもう一つの変更点として、マシンの下にライトをつけ光らせるとしています。
一度、シーズン終了後の表彰式でお披露目はされていましたが、まさかレースで採用されるとは思ってもいなかった。
Kurt Busch - NASCAR Underglow kit
カートブッシュ:ビクトリーラップにて。

2020年7月13日月曜日

インディカー ダブルヘッダーat ロードアメリカ

 今シーズン初のインディカーのダブヘッダーがアメリカ・ウィスコンシン州にあるロードアメリカで開催された。
 ロードアメリカは1周が4マイル(6.5キロ)と長いコースである。ミシガン湖からも近く、ミシガン湖の畔にあるシュボイガンという町からも車で30分ぐらいの距離にあり、自然豊かなレーストラックになっている。
 レースはダブルヘッダーで開催され、観客を動員しての初レースとなった。テレビ中継を見る限りではかなりの観客が見に来ているようにも見えた。
コロナウイルスの影響で今シーズン初の観客を動員してのレースとなった。
ロードアメリカでのレースと言えばリーダーがギャップを作りつまらないレースになると予想していたのだが、レース1とレース2共に面白いレースとなった。

レース1
 レース1ではポールポジションを獲得したジョセフニューガーデン(チームペンスキー)がレース序盤は10秒近いギャップを2位以下につくり独走していた。しかし、28周目のピット作業でアクシデントが起こった。ピットアウトする際にエンジンストールをしてしまい順位を落としてしまった。そして、チームメイトのウィルパワーも同時にはいいており、パワーにポジションを奪われてしまった。ピットアウト後はパワー(チームペンスキー)とスコットディクソン(チップガナッシレーシング)がトップ争いを展開。スコットディクソンは開幕から2連勝中で3連勝が掛かったレースとなった。パワーがレースをリードする中、38周目にジャックハービー(メイヤーシャークレーシング)がコースオフしコーション。ロードアメリカでは3年目にして初めてのコーションだったとか。そして、全車ピットインする中、リーダーで入ったパワーのエアジャッキが抜けずディクソンにポジションを奪われてしまった。その後のリスタートでディクソン、パワー、ハンターレイ(アンドレティオートスポーツ)がレースをリード。その後、後方のマシンのクラッシュで2回のコーションとなった。レースはディクソンが制し開幕から3連勝を記録。チームペンスキーとしてはニューガーデンとパワーのピットミスで悔しい結果となった。3位にはルーキーのアレックスパロウ(デイルコインレーシングWithチームゴウ)となった。パロウはリスタートでハンターレイを抜き3位になったがイエロー中だったとして、4位に後退し再びリスタートでハンターレイをアウトから抜き3位フィニッシュ。3戦目にして初表彰台となった。

レース2
レース2ではフロントローにパトオワード(アローマクラーレンSP)とコルトンハータ(アンドレティハーディングステインブレイナーオートスポーツ)と若手の2人となった。レース1で3位となったアレックスパロウも3位スタートと若手が好調だった。スタート時にウィルパワーとライアンハンターレイがターン1で接触しその後再びウィルパワーがグレアムレイホールと接触し1回目のコーション。これによりパワーは2ストップ作戦を選択。レイホールとハンターレイはリタイヤとなった。レース2で勝てなかったパワーの焦りだったのでしょうか。その後レースはグリーンが続きポールポジションのオワードがレースをリード。フリックスローゼンクビィスト(チップガナッシ)が8秒近くあった差を詰めようとしますが、オワードも逃げ切り、二回のピットもローゼンクビィストがギャップを詰める場面もあったがオワードがトップをキープした。しかし、ラストピットでオワードはレッドタイヤを選択し、ローゼンクビィストはブラックタイヤを選択。この選択により、ラスト数周オワードはタイヤの摩耗に苦しむこととなった。そして、ラップダウン車が混在する中、ローゼンクビィストがラスト2周でトップになり、オワードは追う力が残っておらずローゼンクビィストが優勝した。ローゼンクビィストは去年のミッドオハイオでタイヤがきつい中ディクソンに追われるレースとなりあともう少しで勝てるレースを逃しており、やっと勝てたという感じである。ローゼンクビィストの勝利によりチップガナッシが4連勝。マーカスエリクソン(チップガナッシ)も4位フィニッシュとチップガナッシレーシングが勢いを見せている。
 タイヤの使い方は若手が苦しむ道なのでしょうか。去年はルーキーのコルトンハーターがポートランドでタイヤの摩耗に苦しんでいた。
インディカーキャリア初優勝
どうしたチームペンスキー
レース1ではピットのミスがあったもののウィルパワーが2位フィニッシュ。しかし、シモンパジェノが12位、ジョセフニューガーデンが14位と下位に沈んだ結果となった。
レース2はジョセフニューガーデンがなんとか9位とトップ10フィニッシュ。2ストップ作戦をとったウィルパワーは11位、パジェノは13位とペンスキーらしくない結果となった。ウィルパワーは去年から調子が良くないが、ニューガーデンは去年のチャンピョンである。
ポールポジションを獲得するも、苦しい週末になった。

2020年7月12日日曜日

NASCAR 観戦ポイント②

 NASCAR観戦ポイントパート2


今回はトラックについて紹介します。
NASCARを知らない人から見るとNASCARは同じところをぐるぐるしているだけに見えがちですが実はたくさんの種類のレーストラックがあります。オーバルやロードコースなど様々なレーストラックでレースし各トラックにドライバーの得意不得意があったり、どこでも速いドライバーなど様々で見どころの一つとなっています。

 ショートトラック

まずはオーバルコースでもショートトラックと呼ばれるトラックから紹介します。
NASCARカップ戦の中で最小と言われているマーティンズビルスピードウェイ。1周の距離は約0.5マイル(846メートル)です。バンクは12度と浅く設計されています。形がペーパークリップに似ていることからペーパークリップとも呼ばれることもあります。また、勝者には時計がトロフィーの代わりに贈られます。
次もショートトラックに分類されるブリストル。カーズを見た人は知っているのではないでしょうか?マーティンズビルと同じショートトラックでも、ブリストルはコーナーバンク角が28度と急になっています。距離は0.53マイル(858メートル)です。ブリストルと言えば、なんといっても四方八方が観客席で囲まれたところではないでしょうか?アメリカンフットボールの試合も過去には開催されたことがあります。
 ショートトラックの特徴として、ピットが両方のストレートにあります。そのため、イエロー中とグリーン中のピットの入り方に違いがあったりとほかのトラックにはないルールもあります。
 リッチモンドはショートトラックでもDシェープオーバルです。
夜のブリストルはまさに競技場と言った感じがします。

 ワンマイルオーバル

名前の通り1マイル(1.6キロ)のオーバルコースです。
ドーバーやフェニックスなどが1マイルオーバルに分類されます。1マイルオーバルにもいくつか種類があり、ドーバーは完全にコンクリート舗装されており、ハイバンクです。フェニックスは最近改修されましたが、コースの長さなどは変わっていません。ターン1からターン2の間にスタートフィニッシュラインを変更し、ターン4からターン1にあったグランドスタンドも大幅改修しました。フェニックスの見どころはなんと言ってもショートカット。そんなにショートカットしてもいいのと思うぐらい各ドライバーがショートカットします。気になる方はフェニックスのスタートやリスタートの動画を探してみてください。
2019 NASCAR Cup Series Schedule - Dover International Speedway
コンクリート舗装されたドーバー。モンスターマイルとも呼ばれています。

 インターミディエートオーバル

NASCARカップ戦では一番多くみられるレーストラックです。シカゴランド、ケンタッキーなどのDシェープオーバル。Dの形をしていることからDシェープオーバルと呼ばれています。シャーロット、テキサス、アトランタなどはクアッドオーバルと呼ばれており、Dシェープオーバルの湾曲している部分(ホームストレッチ)が少しだけ直線になっています。他にも、ダーリントンなどの卵型をしたオーバル(形は茂木に似ている?)やホームステッドなどのホームストレートとバックストレートが平行なオーバルなど様々なオーバルがあります。

 2マイルオーバル

2マイルオーバルはインターミディエートに分類されるのかスーパースピードウェイに分類されるのか曖昧なところではありますが、ここでは2マイルオーバルとして紹介させていただきます。フォンタナやミシガンが2マイルオーバルに分類されます。NASCARで速度が最も速くなることも。ターンが比較的広いために走れるレーンが3つぐらいあり、ドライバーによっては大外をずっと走っていることもあれば、インサイドを走っているドライバーなど、その日のマシンによって様々なので見ていて面白いレーストラックでもあります。
Action-packed weekend on tap for Michigan International Speedway ...

 スーパースピードウェイ

インディアナポリスやポコノがスーパースピードウェイに分類されますが、スーパースピードウェイと言えばデイトナとタラデガだと思います。デイトナ500は開幕戦にしてアメリカで一番人気と注目されるレースです。どれも長さは2.5マイル(4キロ)またはそれ以上と非常に大きいレーストラックになっています。ポコノはトライアングルオーバルと呼ばれており、3つしかターンがなく各ターンもバンクがそれぞれ違うのでトリッキートライアングルと言われています。
 デイトナとタラデガはハイバンクでハイスピードのこれぞNASCARと言ったレースが見れます。速度がですぎることから、デイトナとタラデガではリストリクタープレートというプレートをエンジンに挟み馬力を下げてレースが行われます。常に2ワイド3ワイドを見ることができ誰が勝つかわからないレースになっています。そして、ドラフティングが重要なレースであり、信頼されていないドライバーは後ろから押してもらえなかったりし隊列から仲間外れにされたりするのでドライバー同士の人間関係も見ることができます。
 スーパースピードウェイではブラッドケセロウスキー、リッキーステンハウスJr.やライアンブレイニーが得意としている印象があります。特にケセロスキーがリーダーになった時のサイドドラフトの使い方やブロックの仕方が絶妙です。
Daytona International Speedway Track Tours | Daytona Beach, FL 32114

他にも、ロードコースなどがありますが今回はオーバルのみを紹介しました。次回にロードコースなどを紹介します。

2020年7月11日土曜日

NASCAR 観戦ポイント①

 NASCARにはたくさんの見どころがある反面、他のレースにはない独自のルールなどがありわかりにくい場面があります。NASCARの見どころを理解し楽しく観戦できるように、何回かに分けてNASCARの魅力、そしてルールについてご紹介します。
NASCARにはARCAやヨーロッパシリーズなどを含めるとたくさんのカテゴリーがありますが、ここではNASCARカップ戦をメインに書かせていただきます。

 今回はピットについてです。
 NASCARの見どころの一つであるピット作業。ピットでの基本作業はタイヤ交換、燃料給油が主な作業です。その他にも水温を調節するためのシールをフロントグリルに張ったり、屋根に棒を突き刺しマシンのアジャストなども行います。また、タイヤ交換には4タイヤと2タイヤ交換があり、グリーンホワイトチェッカー(残り周回が残りわずかな時に、イエローチェッカーではなく残り2周をグリーンで争うこと)など周回数が残りわずかな場合などは賭けで2タイヤを選択するチームもあります。
 NASCARではピット作業ができる人数も5人までと制限されています。
ピットロードには速度制限もあり、速度をオーバーするとペナルティになります。ペナルティはアンダーグリーンの場合はピットスルーペナルティでイエロー中のピットスピード違反はリスタート時に最後尾になります。
NASCARでは満タンにする場合2本使用。

 ピットウインドまたはフュールウインドとは何か?

NASCARを見ているとピットウインドは45周から50周などと耳にします。ピットウインドウとは簡単に言うと、ピットに入っても良くなった周回数ということです。ピットの窓が開くと考えればわかりやすいかもしれません。タイヤはきついがピットのウインドウが開くまで待てなどチームから無線が飛んでくることもあります。
ピットウインドウが45周から50周と言われれば、満タンで走れる周回数が45周から50周ということになります。ピットウインドウが45周なのに20周目などに入るマシンは調子が悪いことになります。または、イエローを見据えて早めにピットなど。
 しかし、NASCARでは雨などで予選や練習走行ができなかった場合、コンペティションコーションと呼ばれるイエローフラッグがあり、ステージ1などではピットウインドを気にせずに走ることも良くあります。コーションがなくロングランが続くレースでは各チーム作戦が分かれ燃費レースになる場合などは満タンで走れる周回数(ラストピットの周回数)を見るとレース展開がわかりやすくなります。さっきまで20位後方を走っていたのにリーダーになっているマシンは数周ピットタイミングがずれていたりします。よく予選順位が35位などでピットタイミングをずらしたりトップオフ(後で説明)をすることでレースをリードするマシンは要チェックです。レース中にはNASCARホームぺージまたはアプリで無料で各ドライバーのラストピット周回数などが確認できます。

 イエロー中のピット作業
 イエローコーションになりコース上での追い越しが禁止された場合は絶好のピットタイミングであり、40台が一気にピットに入ってきて作業する光景はいつ見ても興奮します。そんな中でイエロー中のピット作業で目にする光景ではリードラップカー(周回遅れではない車)が先にピットに入り、周回遅れのマシンはステイアウトして次の周にピットに入ります。また、ラップバックのためにピットに入らずウェーバーラウンドを選択するチームもあります。残り周回がわずかで、燃料にも余裕があるがラップダウンになってしまったチームがコーション中のピットに入らずウェーバーラウンドをします。
ウェーバーラウンドとはラップリードがピットに入ると周回遅れのマシンはピットに入らない限りラップリードの前にいることになり、リスタート前にペースカーを抜かしリードラップの最後尾につきリスタートできるシステムです。
 他にも、ラップバックする方法があります。ラッキードッグパス(何でもスポンサーがつくNASCARで家具量販店のAaronsが、このフリーパスにスポンサーとして付いていたことからラッキードッグパスと呼ばれている)があります。ラッキードッグパスとは周回遅れの先頭の一台がイエローになった場合ラップバックできるシステムです。

 イエロー中に何回もピットに入っているマシン
 イエロー中に入れるピットの回数制限はありません。そして、リードラップの後方のマシンが何台か何回もピットに入っているのを見たことはありませんか?あれは実は燃料の継足し(トップオフ)と呼ばれることを行っています。トラック上で抜くのが難しいときや、順位を下げる心配がない場合はチームの作戦としてトップオフをして賭けに出るチームがあります。雨が降ると分かっているレースなどでは、前を走っていたチームが燃料切れになりピットに入る中、トップオフをしたチームがステイアウトをして逆転勝利などもあります。
 また、トラブルを起こし修復に時間が掛かる場合にも数回ピットに入るマシンがあります。これは周回遅れにならないようにするためで、リードラップでピットに入りタイヤ交換、燃料給油を行い、一回ピットを出てもう一度ピットに入り再度、マシンの不具合をチェックしたりします。こうするっことによりリードラップのままピットアウトできることになります。
 NASCARはピットでのリペアも5分までと制限があります。過去に、テープをベタベタに貼ったり、ボンネットがないマシンなどがレースしていましたが、それらは禁止となりました。
Young guns unable to match season's success at Martinsville | News ...
NASCARらしくて好きだったが禁止になってしまいました。ほぼ原形がありません。

約8時間の末決着したデイトナ500 2021

 フロントローモータースポーツの快挙  NASCAR開幕戦デイトナ500は予定通り現地午後3時から開催された。レース開始から14周目に一回目のビッグワンが発生し、雨も降り始め、16周目でレースは中断した。約6時間の中断後、レースは再開された。再開後は14周目までが嘘かのようにシン...